第1回キャラバン隊 仙台へ(仙台市立柳生中学校)

仙台放送
(フジ系列)
宮城テレビ
(日テレ系列)
仙台放送 スタジオ生出演
(フジ系列)

8/28(日)午前11時。
東北新幹線「はやて」は初めてだった。
指定のみとは知らず、飛び乗ってしまった。
そのため、駅に止まるたびに移動を余儀なくされた。
ついてない。

体調が悪い。
8月上旬に引いたカゼが完治せず。
一番恐れているのが「のど」の調子だ。
どんなに熱があってもいい。
声さえ出れば。
そんな思いで仙台へ向かった。

仙台駅へ到着、28度。
しかし何かが違う。
仙台に来るといつも思う。
空気が違うのだ。
軽いというか、立っているというか。

ホテルへ。
早くチェックインしたい。
少しでも横になっておきたい。
しかし2時チェックインのはずが
ホテルの都合で2時半まで待たされた。
やはりついてない。

部屋へ。
まず冷房を止めた。
服を脱ぎ横になる。
野口整体の先生に教わった「愉気」を行う。
じっとしていると体力の回復が実感できる。
これならもう大丈夫だ。

公開授業は明日だが
その前に中学校の先生方との研究会がある。
今回のキャラバンは、ただ中学校で授業するだけではなく
私が行った1時間目の授業の後も、検討することになっている。
点から線、線から面へ。
キャリア教育のネットワークを作っていくことが重要だ。

研究会は楽しかった。
先生方が私に90分も時間をくれた。
まだ一度もやっていない「新しい授業」を提案させていただいた。
これはアイデア1つで、どうとでもなる授業だ。
特に「のび太とドラえもん」の教材には力がある。
私には残念ながら試す機会がない。
これは先生方に託したのだった。

研究会の途中で
テレビ局の方が来られた。
8/29の午後4時から、
私は生出演してスタジオ生授業の予定だった。
その事前打ち合わせに来ていただいたのだ。

生放送で授業をすることに決まったとき、
実際の中学校での授業よりも、
わずか2、3分のテレビでのライブの方が気がかりになっていた。
咳1つしたらおしまいだ。
噛んでもいけない。
それでいて緊張したらかっこ悪い。
そもそも、
たったの2、3分で私の授業の意義を伝えられるだろうか?
__________________________

8/29(月)授業当日。

9時半に仙台市立柳生(やなぎゅう)中学校へ。
1年生41名に授業することになっていた。
授業開始は10時45分。
まずは校長先生にご挨拶をした。
朝起きたばかりなので体も軽い。
授業をするには十分な体力を感じた。

教室へ。
視聴覚室をご用意いただいた。
ありがたい。

ところで私は重装備でキャラバンに臨んでいる。
ノートPC
プロジェクター
スピーカー
20メートルのコード
ビデオカメラ
ピンマイク
三脚
予備バッテリーとテープをたくさん…
その他に着替えなど入れるカバンがあるので結構骨が折れる。
トイレに行きたくなったらお金がかかる。
荷物をコインロッカーに入れなければならないからだ。
日本中私一人でまわるキャラバン。
キャラバン隊といっても
隊長兼部下1名のみ。
おまけに隊長は体調が悪い。
それはともかく…

案内していただいた視聴覚室は
スクリーンの位置
PCの位置
プロジェクターの位置
私の立ち位置、すべてOK。
そしてやや広めの教室。
部屋の明るさ調節もバッチリだった。
すべてが完璧だった。

ところがここで嬉しいアクシデントが!

なんとマスコミの方が大挙として押し寄せてきたのだ。
新聞社の方は事前に来るかもしれない、とのご連絡はあったが
なんとテレビカメラが3台も!
音声さんとアナウンサーを入れると
総勢10名を超えた。
その他にも見学の先生方多数。
市の教育委員会の先生や
他県からの先生方。
ギャラリーの総勢は30名を超えていた。
下手な授業はできない。

開始10分前。
私は、記者の方々からのインタビューを受けていた。
「なぜキャラバンをはじめたのか?」
「どうして仙台から始まるのか?」
「一番伝えたいことは何か?」など…。
あわただしく時間は過ぎる。

開始ギリギリ。
生徒が廊下に。
入るのを躊躇している。
「記者会見でもあるの?」という生徒もいる。
私は入り口に立ち、
「キミたちが主役だよ」と招き入れる。
そうなのだ。
キミたち次第なのだ。
このキャラバンが上手くいくもいかぬも。

かわいそうに。
広く感じられた視聴覚室には
テレビカメラ3台を含め、合計6台のビデオカメラがセットされていた。



鳩が豆鉄砲を喰らったような生徒もいる。
やんちゃな生徒たちと聞いていたが
日本で一番お行儀のよいクラスになっていた。
この時点で私は第一声を決めていた。

「みんな…(心で3秒数える)…楽しくやるよ」



そうして授業は始まった。
始まってしまえば、私は燃える。
この授業にハズレは、そうはない。
経験上わかっていた。
「賭け」をするような局面もない。
淡々と進めればいい。



ただそのときの頭の回転の速度によって
スライドとスライドをつばぐ「接続のことば」が適当でなかったりする。
それはそれでしょうがない。

直前に思いついた「ナス」の話に喜んでもらった。
こうしたコテコテの劇画調のスライドも
1つのスパイスだろう。

実は前日行われた研究会で
私がいつも「ツカミ」で使用していた、
「人工ペースメーカー」の話をカットしたほうがよい、とのご意見を頂戴していた。
本当は私は、この「ペースメーカー」の話が好きなのだ。
大好きなのだ。
しかし今回は「ニート」の話はたっぷり用意していた。
時間は絶対にオーバーできない、と言われていた。
だから泣く泣く
「ペースメーカー」は取り除いた。

結局生徒たちは固いままだった。
ジョークで結構ほぐしてはみたが。
今後のキャラバン先でもこれは考慮しておこう。

授業終了。
インタビューを受け、そのまま反省会。
今書いてくれたばかりの感想文を見た。
まずまずの反応だった。
緊張してはいても
響く教材は響くのだ。

学校を後にする。
タクシーで仙台放送へ。
途中コンビニへ寄ってもらう。
朝からおにぎり1つ食べたのみだ。
食欲がない。
コンビニで、やっぱりおにぎりを1つ買う。
食べながら到着。
お守りに、ユンケルも買う。

控え室に通されて打ち合わせ。
番組プロデューサー、ディレクター、アナウンサー。
前日の話では
楽しく授業してください、ということだった。
私はそのつもりでいた。
ところが、アナウンサーの佐藤氏は
私に厳しいツッコミを続けた。

「『働くことの意義』をひとことで言って欲しい」

私はのらりくらりと回答していた。
でもそれを許してくれない佐藤氏だった。
そこで私も真剣に考え出した。
20〜30分話し合いが続いた。
そうして番組の流れが決まった。
充実した時間だった。
開始30分前だった。

すぐにスタジオ入り。
リハーサル。
一発OK。
気持ちやや短めに、とのこと。
機材の最終確認で、スタッフの方がいろいろと話し合い。
テレビの現場はチームワークだな、と改めて思う。

とにかく咳をしないように気をつけた。
そして無事終了。

これで仙台のプログラムがすべて終わったのだ。
とにかく帰って横になりたかった。

翌日の河北新報朝刊には
授業の記事がカラーで取り上げられていた。
また、仙台放送(フジ系列)と宮城テレビ(日テレ系列)でもニュースとして取り上げられた。

大変よいスタートが切れたと思う。
仙台の関係者の皆様に感謝申し上げたい。

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