根本直伝総合的な学習の時間

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根本正雄(TOSS体育授業研究会代表)

”体育にシフトする総合”計画のヒント
. 課題を見つけ解決していく学習づくり


1.計画をたてる観点

 体育にシフトする総合的な学習の計画をたてるには、次の観点から検討していく。

 1.運動・スポーツ領域との関わりでの総合的学習
 2.保健との関わりでの総合的学習
 3.健康教育との関わりを一つのテーマにした総合的学習

 体育にシフトする総合的な学習の領域は多くある。一つは運動・スポーツである。 特にニュースポーツといわれる種目は向いている。なぜならルールの工夫ができ、お年寄りから子供まで一緒に楽しめる内容だからである。
 グランドゴルフ、ソフトバレーボール、ティーボールなどである。これらの種目は障害者との交流にも活用できる。
 二つ目は保健の領域である。健康を守る地域活動に関する指導として、「介護の方法を体験しよう」などが考えられる。
 これは福祉との絡みもあるが、保健の中の問題としてもシフトできる。
 三つ目は健康教育との絡みである。体育の時数だけでは足らない場合、総合的な学習とシフトさせて実施する。
 例えば、飲酒・喫煙防止、薬物乱用、食と環境問題などである。ライフスキルとも関係してくる内容である。
 高学年における例としては、次のような内容が考えられる。

(1) 運動・スポーツ領域との関わり

 ○ 高齢者や障害者との交流「スポーツ交流をしよう」
 ○ 伝統芸能の体験と継承「日本の地域の伝統芸能を体験しよう」
 ○ ニュースポーツや障害者スポーツの体験「障害者スポーツに挑戦しよう」
 ○ 自己の運動についての理解「自分に合った運動プログムを作ろう」

(2) 保健との関わり

 ○ エイズに関する指導「エイズについて理解しよう」
 ○ 性に関する指導「第二次性徴期と男女の協力」
 ○ 歯に関する指導「そしゃくの大切さ」
 ○ 健康を守る地域活動に関する指導 「介護の方法を体験しよう」

(3) 健康教育との関わり

 ○ 飲酒・喫煙防止について考える「たばこの害」
 ○ 薬物乱用について考える「シンナーの恐怖」
 ○ 食と環境問題について考える「ダイオキシンから身を守る食事療法」
 ○ 心の健康を考える「ストレスを退治しよう」

 以上の内容を横断的・総合的に指導していくのである。体育だけではなく、環境・福祉の関わりで単元を構成していく。

2.お年よりとボールゲームをしよう

 4年生での「お年よりとボールゲームをしよう」という単元の実践を紹介する。「お年よりと楽しめるボールゲーム」の学習には、三つの活動がある。


 1.地域の高齢者に協力を依頼する。
 2.ボールゲームを考案する。
 3.高齢者とボールゲームを行う。

 総合的学習で大切なのは、課題を見つけ解決していく事である。
 ただ運動をすればよいのではない。高齢者に働きかけ、ボールゲームを考案し、一緒にゲームを行っていく。一連の学習の流れは次のようである。

 ・お年よりとボールゲームをしよう
    ↓
 ・どんなボールゲームがあるだろうか
    ↓
 ・ゲームを調べる
    ↓
 ・ゲームをつくる
    ↓
 ・ゲームを紹介する
    ↓
 ・お年よりと一緒に遊ぶ

 高齢者に招待状を書くには国語の力が必要である。ゲームを考案し、分かりやすく説明する。図を作成するには図工の力が必要てある。そして、体を動かしゲームを楽しむ体育の力が必要である。
 教師が一方的に指示し、活動させていくのでは総合的な学習にはならない。
 問題を解決していくための学び方を身に付けさせていくことが大切である。
 体育を中心とした総合的学習でも同じである。課題を持って取り組ませていく。

・お年よりはどこにいるだろうか。
・お年よりの住所、氏名はどうしたら調べられるだろうか。
・お年よりの好きなゲームにはどんなものがあるだろうか。
・お年よりと一緒にできるゲームにはどんなものがあるだろうか。
・どんなルールにしたら子供とお年よりが一緒にできるだろうか。

 これらの課題を解決するためには、調べ方が必要である。

○ どこに行き、誰に聞けばお年よりの氏名、住所が分かるのか。
○ ゲームははどこにいけば調べられるか。
○ お年よりの好きなゲームはどこで調べられるのか。

 情報収集の方法を知らなければ活動は難しい。子供は、ひとつひとつの課題を解決していく中で調べ方も学習していく。
 老人について調べるには地域の老人会に聞けば良いことが分かる。老人会を通して招待者名簿を作成する。
 ゲームについて調べるには学校や地域の図書館、スポーツクラブで調べればよいことが分かってくる。
 総合的学習によって、地域には健康づくりのための施設やクラブがあり、それらを活用していくことにより、生涯スポーツにつながっていくことが理解できる。課題を見つけ解決していく学習づくりにしていく。


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