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根本正雄(TOSS体育授業研究会代表・千葉弥生会代表)・宮本正徳(千葉弥生会)

相談室


10.荒れているクラスを立て直す方法

平成16年1月12日 弥生会後の懇親会
荒れているクラスをどうするか
 記録:宮本 正徳先生

 1月12日,例会の後にサイゼリアで懇親会が行われた。荒れているクラスを立て直す方法について,根本正雄先生・八代真一先生が答えて下さった。
☆必ず勝つ

【八代先生】
 1つ1つ子どもに勝っていく。そのとき,はっきりわかる部分で勝負する。
  @ふざけたら叱る。
  A人を傷つけたら叱る。
 @は,「ふざける」の基準が曖昧である。このような曖昧な部分では勝負しない。逆に,Aのように誰にでも基準がわかることで勝負する。そして,子どもを味方につける。
 今回の状況では,けんかが多いので,「けんかをしたら叱る。」のただ1点で勝負する。 また,いっぺんに良くしようと思ってはいけない。1つ1つ勝負することが大切である。1つで勝負をし,勝つ。そして,また勝負して勝つ。このように1つずつ勝利していく。

 向山実践の赤鉛筆指導を行うのも良い。この指導は何がいいのか?それは絶対に勝てることである。

【根本先生】
 なわとび級表をぬらせるために,赤鉛筆を必ず持ってこさせれば良い。このように目的を必ず言ってから,持ってこさせる。ただ,「赤鉛筆を持ってきなさい」では,子どもはなかなか持ってこない。
☆下駄箱・椅子

【八代先生】
 「下駄箱の靴がそろっていること」,これがクラスの荒れを判断する基準である。荒れていないクラスは,下駄箱の靴がきちんとそろっている。
 八代先生の学級でも,靴がきちんとそろうまでに1ヶ月かかった。八代先生の指導法は,次の通りである。
 朝,下駄箱を見てから教室に行く。そして,「今日は20人合格」など評価する。これを毎日続けていく。そろっていないからといって,決して怒らないことが ポイントである。
 また,逃げ道を作っておくことも必要である。
 「今日は25人が合格です。自分がそろえたかどうか不安な人は,5分間あげるからそろえておいで。」
 このように言うと,ほぼ全員がそろえに行く。
 教師が黙ってそろえる場合もある。そして,前述したように言う。子どもが教室に帰ってきたら,「靴をきちんとそろえてあった人?」と聞く。教師がそろえているので,全員が誉められることになる。このように,誉める場面を演出することも大切である。そして,ちょっとの失敗は,教師がカバーしてあげれば良い。

【根本先生】
 教室をでるときに,椅子をいれてからでるということも大切である。
☆子どもと遊ぶ

【根本先生】
 毎日遊ぶことは,難しい。そういうときは,「何曜日の何時から遊ぶ」と子どもと約束する。ただ「遊ぶよ」では,なかなか実行できない。いつ・どこで・誰と遊ぶかを約束することによって,教師自身も守るようになる。
 また,アンケート(注:子どもに担任にどうしてほしいかのアンケートをとった)をまとめ,子どもに示すことも必要である。そして,「遊んでほしいという意見が多かったので,遊ぼう。」など,みんなの意見を尊重して決めているということを示す。
☆荒れているクラスには

【根本先生】
 荒れているクラスでは,前の担任の悪口を言うことがある。それを聞き,前の担任とは反対の行動をする。
(例)
 ★前の担任がよく怒っていたら,自分は怒らないようにする。
 ★前の担任が宿題をよく出していたら,自分は出さないようにする。
☆子どもを静かにさせるには

【根本先生】
 次のようなとき,子どもが騒ぐ。
 @ やることがわからないとき
 A 話がつまらないとき
 だから,なるべく教師の話を減らし,作業をさせると良い。
(例)
 連絡帳を書かせるとき,何も言わずに連絡事項を板書する。
 「ノートに書きなさい。書けたら持ってきます。丸をもらった人からかばんを用意します。」
 このようにすると,子どもは書かざるをえなくなる。しゃべっている子は,遅れてしまうので,損をしてしまう。話を聞かないと損をするという場面を作る。

 「話を少なくする。」が基本。でも,話さなければいけない場面もある。その場合,語りができれば最高である。八代先生の語りのようにである。しかし,それはとても難しい。では,語りができない人はどうするか?物を用意する。

 静かにさせるためには,集中させるテクニックを教師が身につけることが大切である。

 話すときは「先生の目を見て聞きなさい。」と言う。 そのとき,見ていない子を叱ってはいけない。見ている子を誉めるようにする。
 教師は1人1人の目を見て話すようにする。そして,1対1の関係を作る。

【八代先生】
 向山先生が話すときも,1人1人と話している。自分に話しかけているように話している。
☆わかる授業をする

【根本先生】
 子どもがわからなくて困っている。
 「わからないのは先生の責任。できなくていいんだよ。」と言う。決して子どものせいにしない。
☆子どもは見ている

【八代先生】
 子どもに何かされたとき(注:聞き落としていた),「ありがとう」と答えた。そのとき,「やっぱり!」と言われた。子どもたちは,先生がこうしたとき何て言うかを賭けていた。みんなが「ありがとう」と言うだろうと予想していた。子どもの予想通りに答えてしまった。
 「ありがとう」「ごめんなさい」をよく言っているので,子どもに予想されてしまった。
 子どもはよく見ているものだ。
☆子どもが荒れるとき

【八代先生】
 八代先生が小学校3年生のとき,クラスは学級崩壊だった。学級崩壊になってしまった理由を分析すると,次のようになる。  指示がはっきりしない。はっきりしないから動けない。動けないのに怒られる

【根本先生】
 何をしたらよいかわからないとき,子どもは騒ぐ。なので,具体的な指導の手だてが必要である。
☆挨拶をする

【根本先生】
 子どもが挨拶をするためには,なぜ挨拶をするのかを語らなければいけない。ただ,「挨拶をしなさい。」では,子どもは挨拶をするようにはならない。
 挨拶の「挨」は,「心をひらく」という意味がある。

 以上が,荒れているクラスを立て直す方法である。今やるべきことを,根本先生が次のようにまとめて下さった。

 @語る
 A靴をそろえる
 B椅子をいれる
 Cあいさつをする。

Q:宿題を出さないようにしています。でも,保護者会で宿題をもっと出してほしいと言われました。どのようにすればいいのでしょう。(宮本正徳先生)
A1.【根本先生】
 宿題は出さないほうがいい。宿題では,学力は身に付かない。
「授業の中できちんと学力を保証する。」と説明する。
 根本先生は,日記も学校で書かせた。
A2.【八代先生】
 宿題を増やしても,やらない子はやらない。
 また,宿題を出したら,教師がチェックしなければいけない。やらない子にやらせなければいけない。やらない子を叱ったりなどすると,精神衛生上悪くなる。
 保護者に言われたときは,あきらめる。
A3.【根本先生】
 宿題ではなくて,自由学習とすればいい。
 「最低限の学力は,学校で身に付けます。」と宣言する。


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