心の虹―337号(2003.2.10)
心 の 虹
跳び箱集団跳び感想 3
河野圭一氏の感想
学級担任の河野圭一氏から感想をお送りいただいた。飛び込みの授業が成立した裏の事情が詳しく述べられている。
『習熟過程を生かした体育授業の改革』をもとに基礎感覚・基礎技能作りをされていたは知らなかった。実態調査をお送りいただいたが、実態の高さに驚いた。その裏には次に述べられているような実践がされていたのである。
河野氏の文章から基礎感覚・基礎技能作りの有効性を知ることができる。集団跳び越しの授業ができたのは、すべて河野氏の事前の指導があったからである。以下に河野氏の感想を紹介する。
本学級は、児童の能力がまだまだ開発できておらず、根本先生にはいろいろとご迷惑をかけたことと思います。フェステバル当日を迎えるまでの取り組みについての感想を述べさせていただきます。
本年度、クラス替えがあり、38名の児童を担任させてもらうことになりました。どのクラスも似たようなものですが、基礎的な感覚はどの子もあまり身に付いておりませんでした。
年間を通して、授業を行うにあたり授業の中で少しずつ感覚や技能作りを行ってきたつもりです。ここでは詳しく述べません。
今回根本先生から事前にいただいた指導案を知る前に、基礎感覚・基礎技能作りだけを5・6時間行いました。うさぎ跳び、かえる倒立、ウサギの足打ち、倒立、馬跳びです。
先生のご著書『習熟過程を生かした体育授業の改革』を参考にさせていただきました。最初の5・6時間は跳び箱を使いませんでした。ただ上記の運動をゲーム化したり、目標設定を変えたりしたり競争したりしながら行いました。
・ウサギの足打ち 回数の目標化 お尻の高さの数値化(ものさし利用) 座った姿勢からの足打ちから立った姿勢の足打ちへの段階的指導。
・かえる倒立 頭をついたかえる倒立 秒数による目標の数値化 ひざの部分をひじの部分に乗せることの指導の徹底 夜寝る前5分間の蒲団での練習
・うさぎ跳び マットの飛び越し 板目を使った距離の目標化
・倒立 ろくぼくを使った段階的な指導 セーフティマットを使った恐怖感の除去
・馬跳び板目を使った着地の目標距離の数値化 集団による馬跳び折り返しリレー 秒数を限定した跳べた回数競争(向き変え跳び)
などを行いました。
最初はまったくお尻の上がらなかった女の子も、5時間目にはずいぶん上がるようになっていました。
最初に跳び箱を跳ばせた日に、昨年度まで開脚跳びができなかった児童が4名跳べるようになりました。抱え込み跳びも同様でした。それだけでは跳べるようにならない児童には、向山式跳び箱指導を行いました。すぐ跳べるようになりました。
このことから、習熟過程とそれを支える基礎感覚・基礎技能の大切さを実感させられました。
集団跳び箱については、グループ内での工夫や支え合いがこれまでの個人でのめあて学習よりも多く見られたと思います。そのグループで片づけや準備も行うことができて「集団での学習」に関して学び合いや学習方法の修得など教師が期待する効果があると思いました。
やっていて難しいと思ったことは、「何に気をつけたらそろって跳べるかという」発問でした。児童がなかなか質問の意味が理解できませんでした。
それまで、きちんと跳び箱の習熟過程を指導していなかった点に原因があるかと思います。どうすればできるという点に焦点が当てられずに授業を行っており、児童の中に「こうすればできるようになる」という技能的な「視点」がありませんでした。
これまでに「こうすればできる」「できるためには」といった視点を児童に与えながら授業ができなかったと反省しています。大変ご迷惑をおかけいたしました。
もう一つは、全員4段を跳べることが大前提だったことです。本学級は何とか跳べましたが、私の力が足らず、まだまだ確実に跳べない子もおりました。
これからも、研修を深め児童に返していければと思っています。
このような機会を与えてくださった根本先生に、子どもたち共々心から感謝申し上げます。今後もご指導お願い申し上げます。
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