根本直伝学級経営術

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根本正雄(TOSS体育授業研究会代表)

活動を促す言葉

1.発問と指示の違い

 発問と指示はどこが違うのだろうか。
 京浜教育サークルでその違いについて検討したことがある。
 新牧賢三郎氏が次の定義を行った。

 発問 : 本質は何かを問いかける
 指示 : 活動や行動を促す

 授業の場合は、発問と指示がセットで行われる。
 発問で考えさせ、指示で活動させる。バスケットボールの指導の場面である。

発問  シュートをする時、どこを見たらよいですか。
  A ボール
  B 敵
  C ゴール

 これは発問によって、動きの本質(原理)を気付かせようとしている。
 初めから本質を教えて指示していく場合もあるが、発問によって考えさせていったほうが子供の意欲を高め、主体的な学習になる。
 ボール、敵、ゴールのどれか一つを選択させることによって、子供は自分の頭で考え、課題を自分のものとして思考する。
 「どこを見たらよいか」と問われて初めて子供は視線の大切さに気付く。
 つまり、動きの本質を発見していく。

指示  どれが正しいか、自分でシュートをして確かめなさい。

 シュートをする時の視線によって動きが変わることを「確かめる」という活動によって、発見させていく。
 指示はある目的があって、それを達成させる時に行う。

2.比喩と限定

 授業でない場合には、ストレートに指示していく。この場合のコツは、指示の内容を映像化していくことである。
 指示の内容が具体的にイメージできなければ動きにつながらない。
 動き方が分かって初めて目的が達成される。イメージ化として、次のような方法がある。

 1.比喩を用いる
 2.限定をする

 何かに例えて指示をすると動きのイメージができる。

指示  ゆうれいになって、水に浮かびなさい。

 付し浮きの指導をする時、「力を抜いて浮かびなさい」というよりも、「ゆうれいになりなさい」と指示したほうが効果的である。
 脱力を体感させるには、「ゆうれい」という比喩の言葉のほうが子供に伝わるのである。
 もう一つの方法は、指示の内容を限定することである。
 「ゴミを拾いなさい」というよりも、

指示  ゴミを十個拾いなさい

と指示したほうがイメージできる。イメージができるから活動ができ、目的が達成される。
 限定する内容としては「簡明の原則」で述べたように、場所、数字、色などを入れていくとよい。


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