根本直伝学級経営術

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根本正雄(TOSS体育授業研究会代表)


日本の子どもたちに今、なにが必要か
共感・共生のできる子どもに

 日本の子どもに今、一番必要なのは共感・共生できる力である。
 不登校、いじめ、校内暴力などの原因は、すべて他人への共感・共生する力の欠如である。
 お互いに相手の心を感じ、共に生きていく事の大切さを身に付けていけば、学級崩壊も起こらないであろう。
 それでは、どのようにして共感・共生の出来る子どもを育てていったらよいのだろうか。本校の実践から述べる。

1.長縄大会が開かれる

 平成11年2月9日、ふれあい活動で長縄大会が行われた。ふれあい活動は、1年生から6年生までの縦割りで行う活動である。
 子供たちは、大会のために業間、昼休みに練習をしていた。3回戦行い、終った時点で1番いい回数を記入する。
 縦割り活動を通して、子供達の体力も高まり、ふれあいも出来ていった。
 跳べなかった1年生が6年生の指導で出来るようになった。子どもの感想からふれあい活動の様子をみていきたい。

 長なわ大会まで 4年2組 S・S

 練習の時、いつもひっかかってしまう1年生を、6年生は大会の日まで一生懸命アドバイスしていた。縄を回す6年生も1年生の番がきた時はゆっくり回していた。6年生全員が1年生をとばそうとしていた。
 長なわ大会当日、僕は1年生のことが心配だった。とべない子もみんな必死で頑張った。3回とも7〜80回台で優勝出来なかったが楽しかった。

 ふれあい長なわ大会 5年3組 Y・M

 ふれあい長なわ大会が始まった。ぼくは、3年2組のふれあいだ。3分間はかってとんだ。6年生がとべない1、2年生の背中をおしてあげていた。みんなも「がんばれ。」と言った。
 3位だった。みんな立ち上がって「やったあ。」と言った。ぼくも1、2年生の世話ができる6年生になりたいと思います。

 くやしいくやしい長なわ大会 5年2組 M・A

 「ジャンプ!」みんなで、力を合わせて、ジャンプする。わたしは明日香ちゃんといっしょに、長なわを回す。腕を力いっぱいふりあげて、一生けんめいにまわした。まわしながら、「1年生がんばれ!」と思った。
 わたしたちは、一生けんめいに回したり、とんだりしたけど優勝できなかった。
 でも、わたしたちのふれあい5年2組も休み時間を使って練習をかさねたし、心を一つにして、声をかけあいながらがんばったのだ。だけどくやしかった。6年生との最後の思い出だったのに…。

2.ふれあい活動の成果

 子供の感想を読んで縦割りのふれあい活動が教育的に大変効果があったことが分かる。

 1.1〜6年生の心のつながりが出来た。
 2.6年生の1年生への励ましや指導を見ていた下級生が、6年生になったら1年生の世話をしたいというあこがれを持った。
 3.優勝しようと長い間努力をし、一体感を経験した。
 4.力をあわせて一つのことを成し遂げた達成感を味わった。

 優勝するには1年生が跳べなければならない。1年生は長縄跳びに慣れていないために、連続して跳ぶことが難しい。
 その1年生に6年生が背中をおしてあげたり、縄をゆっくり回してあげたり、励ましの言葉をかけていたのである。
 優勝を目指して全員の心が一つになっている。お互いに共感している。その気持ちが休み時間も練習させたのである。業間休み、昼休みと縦割りグループで練習している姿をよく見かけた。
 練習を通して子供たちの中に一体感が生まれた。そしてお世話になった6年生へのあこがれと感謝の気持ちが自然に出てきたのである。
 「心を一つにして声をかけあいながらがんばったのだ。だけどくやしかった。だって、6年生との最後の思い出だったのに…」の文章に現れている。
 学校行事は学級・学年の行事と異なる。それは異年齢の子供が一緒に活動するからである。下級生が自分たちでは出来ないことを上級生が教えてくれたり、やってみせてくれる。そういう姿を通して、教師では指導できないことを学んでいく。
 6年生も何とか自分のグループを優勝させようと必死になってリーダーシップを発揮する。目的が明確なので心が一つになるのである。
 「1年生の番がきた時はゆっくり回していた。6年生全員が1年生をとばそうとしていた」の文章に滲み出ている。1年生が跳びやすいようにゆっくり大きく回してあげていたのである。
 思いやりの心をもち、進んで活動する子供たちの中に、共感・共生の心が育ったのである。共感・共生のできる子どもにしていきたい。


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