根本直伝講座20

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根本正雄(TOSS体育授業研究会代表)


. 運動会を盛り上げる種目の工夫

1.盛り上がる条件

 運動会を行う時、最初に考えるのは種目である。子供もどんな種目になるのか関心を持っている。
 どんな種目にするのかによって、運動会の盛り上がり方が変わってくる。
 運動会のプログラムを見ると種目名は新しいが、内容は相変わらず昔からある種目の場合が多く見られる。
 借り物競争、障害物競争、徒競走、パン食い競争などの変形で、名前を変えたものばかりである。
 時間がかかる割に、盛り上がりに欠ける種目になっている。
 盛り上がる運動会種目には、共通点がある。

 1.単純である。
 2.準備が簡単である。
 3.勝敗がはっきりしている。
 4.誰が勝つか最後まで分からない。

 この良い例がリレーである。どの学校も種目の最後に紅白対抗リレーがある。
 このリレーのル−ルは簡単である。走りながらバトンを受け渡せばいいのある。しかも準備はバトンだけでできる簡単な種目である。

写真1

 勝敗もはっきりし、誰が見ても判定できる。途中バトンを落としたり、転んだり、抜かれたりして、どのチームが勝つか分からない。
 参観者も競技者と一体となって楽しめるのある。昔から残っている運動会種目には以上のような共通の条件がある。
 このような条件を満たすような種目を考えていけばよい。

2.名前を工夫する

 種目の内容は新しくないが、名前を工夫することによって盛り上がる場合がある。

 社会的に話題になっているキーワードを入れる。

 一時、宅急便が入ってきて、社会的に取り上げられた時期があった。
 宅急便という言葉を入れた種目が見られた。例えば「魔女の宅急便」というようにして宅急便の言葉を使った。
 得居不二三氏は、環境問題にスポットを当てた運動会種目を紹介している。
 「森を救え トイレットペーパー交換リレ−」という種目である。
 現在、環境問題が叫ばれているので、訴えるものがある。
 興味を引く名前によって、子供も保護者もどんな種目かと関心を持つ。

@.ゲ−ムのあらまし

ゲ−ムのあらまし

 牛乳パックを持って走り、途中でジャンケンマンに勝ったら、パックを袋に入れて、旗を回ってくるリレ−。アンカーは袋をかついで旗を回り、それを、トイレットぺ−パ−と替えてゴールする。

A.準備

準備

 ○ 旗またはカラ−コ−ン(折り返し用4本)
 ○ ビニル袋(ゴミ袋)4枚
 ○ 牛乳パック一人2個
 ○ トイレットペーパー8巻 各チーム2
 ○ アンカー用たすき(4本)

B.場の設定

C.やり方

@ 学年を4チーム(赤2白2)に分ける
A 各チームを2列にして、隣同志ペアを組み、牛乳パックを1つずつ持つ。
B 先頭のペアだけ、スタートラインに立ち、他の人達はしゃがむ。
C ジャンケンマンは、ビニル袋とトイレットペーパーを持ち、センターライン上に立つ。(ジャンケンマンは用具係の子にやってもらう。
D スタートの合図で、先頭のペア−は、手を繋いでジャンケンマンのところまで走り、ジャンケンをする。この時、勝つまで何回もする。
E 勝ったら、パックを袋の中に入れ、旗を回って、自分のチームの一番後ろを回り、次のペアにタッチする。
F アンカーのペアは、パックを袋に入れたら、その袋をかついで旗を回り、ジャンケンマンにトイレットペーパーと交換してもらう。
G そのトイレットペーパーを持って、速くゴールしたチームが勝ちとなる。

 トイレットペ−パーを使うことによって環境保護へのイメージが出来る。
 種目名を工夫することによって、インパクトを持たせることが出来る。
 社会的に受けているキーワードを普段から集めておくとよい。

4.全校で取り組む種目

 運動会の種目は学年で行うのが多いが、全校で同じ種目を行うのも盛り上がる。
 「早い者勝ち」という種目を行ったことがある。

@.「早い者勝ち」の並び方

写真2・3

A.ルール

 ○ 時間は1分(早い場合は30秒)
 ○ 勝負は学年毎で男女一緒
 ○ スタートの合図が鳴ってから終わりの合図が鳴るまで一生懸命やる
 ○ ボールをとったら、白線の外側まで行き、そこにボールを置いて、また別の物をとりに行く
 ○ 相手が白線をこしたらきちんと取り合っていたものはゆずりあう
 ○ 白線より外側においてある物をとりかえてはいけない
 ○ 取り合いになったら、どちらかが白線をこすまで続ける
 ○ 取り合いになって、相手をたたいてはいけない
 ○ 曲を流す(ドラゴンクエストV)

 この「早い者勝ち」は学年種目としても出来るが、赤と白に分けて全校で行うこともできる。
 本校では全校で行った。各学年で行い、最後に得点を集計して勝敗を決めた。
 全校が同じ種目なので分かり易い。しかも自分の学年も関わりがあるので、一人一人が自分の問題として参加している。
 5年生から始まった。タイヤ、縄、ボール、3連タイヤとどれをとってもよい。
 子供の動きを見ると縄とタイヤを取りにいくのが多い。意外とボールは見逃しがちになる。
 1年生も一生懸命に動いていた。この種目で面白いのは、どれを取ればいいかの作戦を立てれば勝敗が変わってくることである。
 重いものよりも軽いものをねらったほうがとりやすい。それに気付いたチームが勝っている。各学年の成績は次のようである

学年赤の得点白の得点勝敗
1年1311
2年1114
3年1014
4年1314
5年1414同点
6年1315

 総合では白が勝った。得点を見るとどの学年も接近している。作戦を考えていけば勝敗は引っ繰り返るかもしれない。
 自分の学年だけでなく、他の学年の勝敗も関係してくると応援にも熱が入る。
 全学年で行っても短い時間で終了する種目なので盛り上がる。

写真4・5

 次は、大玉送りである。写真のように全学年、大玉を手で送っていく。頭の上を通ってゴールまで運んでいく。
 もし落ちたらそこからやり直しをしていく。一回目は二往復するゲームである。最初に台の上に乗ったほうが勝ちである。
 二回目は、音楽を流して終わりまでに何往復するかである。
 結果は1回目は白が勝ち、二回目は赤が勝ち、引き分けに終わった。
 この種目は全員で行える種目なので子供の心が一つになれる。
 しかも結果がはっきりする。赤、白対抗の競技には盛り上がる。
 途中で大玉が落ちると落ちたところからやり直しをする。
 大玉1個に全員の目が集中していく。
 「はやく、はやく」という声が聞こえる。低学年の子供ほど熱中する。
 自分のチームへの帰属感が出てくるのである。
 学年種目だけでなく、全校種目を1つ入れると運動会全体が盛り上がっていく。
 どんな種目をいつ入れたらよいを考えていくと面白い。


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